演者・パネリスト
姫路医療生活協同組合 共立病院 森 敬良
東京医科大学 総合診療科 齊藤裕之
市立堺病院 総合内科 川島篤志
名古屋大学 在宅管理医療部 川尻宏昭
国立病院機構 東埼玉病院 総合診療科 木村琢磨
(敬称略)
「家庭医療」と「総合診療」。お互いにプライマリ・ケアの一端を担う存在のはずだが、何となく“親近感”を感じつつ、何となくの“よそよそしさ”を感じる若手医師も少なくないだろう。果たして、この感情はどこから沸き上がってくるのだろうか。
「家庭医療と総合診療ってどう違うのですか?」
プライマリ・ケアを志す学生や若手医師から、現在もこの質問を投げかけられる機会は多い。果たして、私達はこの質問に明確に答えることができるだろうか。
「家庭医療と総合診療の共通点は?」
しかし、私達は“違い”を見出そうとするべきではない。同じ志を持っている者通しだからこそ、互いに協力できる“共通点”を見出すべきではなかろうか。そもそも「総合診療」とは我が国独自の名称・概念ではあるが、それは諸外国で生じているGeneral
internal medicineとFamily medicineの間の仲違いを繰り返さないための“願い”として、そう呼ばれるようになった歴史がある。そして、これまで各大学や市中病院の総合診療科が地域の家庭医と協力して診療、教育、研究で日本のプライマリ・ケアに貢献し続けてきた実績も大きい。しかし、この「家庭医療」と「総合診療」の間に感じる、この“よそよそしさ”は一体何だろうか?
「家庭医療の総合診療の共通点は?」
「家庭医療と総合診療が志す医療とは?」
「家庭医療と総合診療、それぞれの得意分野とは?」
これからの未来、「家庭医療」と「総合診療」がよりよい協力体制を築き上げることで、私達が望む日本のプライマリ・ケアを提供できるのではなかろうか?このシンポジウムでは総合診療の現場で働いている若手医師を交えて、上述した疑問に敢えてストレートに議論を進めていきたい。お互いを理解し、よりよい日本のプライマリ・ケアを提供する第一歩を踏み出すために、今日はとことん話し合おうではありませんか。
演者1 東京医科大学 総合診療科 齊藤裕之
家庭医療と総合診療の間に感じられる“よそよそしさ”の理由は何なのでしょうか?そして一体、どのくらいの方がそのよそよそしさを感じているのでしょうか?スライドでは家庭医療と総合診療の歴史を振り返りながら、そのよそよそしさの理由、そして将来私達がどのように協力するべきかをアンケート調査を基に提案しています。
演者2 国立病院機構 東埼玉病院 総合診療科 木村琢磨
医学生時代に診療所・在宅クリニック・ホスピス・特養で実習した医学生が、研修の場として総合診療の世界に入ったこと。普通のことを普通にやる“普通の医師”になりたいこと。そして、今後も肩肘はらず、とにかく少しでもジェネラリストとして臨床を実践していきたい気持ちを提示しております。
演者3 市立堺病院 総合内科 川島篤志
病院での「総合内科/診療科」を助けて下さい!
家庭医を目指す若手医師が中小規模病院で働くメリットはたくさんあります。
各個人や施設だけでなく、我々の領域の連携や地位向上、ひいては患者さんに貢献できます。
皆さんが病院で「活躍できる場」は多くありますし、「求められることに対応できる能力」を獲得するためにも、是非、病院での「総合内科/診療科」で数年間働くことを検討してもらえないでしょうか?
演者4 名古屋大学 在宅管理医療部 川尻宏昭
総合診療と家庭医療。ことばが違うのだから、必ず違いはある。その違いはなんだろうか?また、すべてが違うのだろうか?両者の違いは「場による役割の違い」。両者の共通点は、ニーズを常に汲み取り、省察的実践家として奮闘するところ。そんな捉え方はできないだろうか?

上記の演者の発表をふまえ、参加者で小グループディスカッションを行い、その内容を全体で発表し、議論しました。
参加者は約100名で、準備した椅子が足りなくなるほどの熱気で盛り上がりました。参加者の1人として、これからの家庭医療と総合診療の協力・発展に一つのきっかけを与えたのではないかと感じます。参加していただいた皆様に感謝申し上げます。
(文責:若手家庭医部会Web担当 菅家 智史)